ほうれん草は栽培期間が短く、管理も比較的簡単なため、家庭菜園初心者にも非常に人気のある野菜です。
特に、プランターを使えば、ベランダや庭先でも手軽に新鮮なほうれん草を収穫することができます。
この記事では、ほうれん草のプランター栽培に挑戦する方に向けて、
栽培時期・手順・肥料の与え方・育て方のコツをわかりやすく解説していきます。
家庭で手軽にできるので、ぜひ最後まで読んでチャレンジしてみてください!
もくじ
ほうれん草のプランター栽培の手順
【準備するもの】
プランター栽培を始める前に、必要な道具を揃えましょう。
必要なもの | 詳細 |
---|---|
プランター | 標準プランター(幅65cm・深さ15cm以上がおすすめ) |
培養土 | 市販の元肥入り野菜用培養土(手間が少ない) |
ほうれん草の種 | 栽培時期に適した品種を選ぶ(春まき用・秋まき用) |
肥料 | 追肥用に肥料を用意しておく |
プランターについて
標準サイズのプランター(65型)を使うと、条間をとって2列に種まきができるため効率よく育てられます。
プランターに深さが15cm以上あれば、直根性のほうれん草も問題なく育ちます。
【手順】ほうれん草のプランター栽培
ここからは、実際の作業手順を順番に解説していきます。
手順① 種まき
- プランターに培養土をたっぷりと8分目まで入れます。
- 土の表面に、条間10〜15cmで2本の浅い溝(まき溝)を作ります。
- それぞれの溝に、0.5cm〜1cm間隔で種をまいていきます。
- まいた種に対して、1cm程度覆土(ふくど:土をかぶせること)をします。
- 覆土後は、手のひらで軽く押さえて種と土を密着させましょう。
- 最後に、プランターの底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをします。
💡ポイント!
- 種をまいた後、乾燥させないことが発芽率アップのコツです!
- 水やり後は寒冷紗などをかけると乾燥防止&防虫効果もあります。
手順② 間引き
ほうれん草は、間引きをしないと葉が密集して生育が悪くなります。
2回に分けて間引きを行いましょう。
■1回目の間引き
- タイミング:双葉(ふたば)が揃ったころ
- 作業内容:株間が2〜3cm程度になるように、元気な株を残して間引く
■2回目の間引き
- タイミング:本葉が2〜3枚になったころ
- 作業内容:株間を4〜5cm程度に広げる
💡ポイント!
間引いた若葉は、ベビーリーフとしてサラダなどに活用できます!
手順③ 追肥
生育をさらに促すため、間引き後に追肥を行います。
- タイミング:1回目の間引き直後
- 方法:条間に粒状の化成肥料を10g程度撒き、軽く土と混ぜ合わせます
- その後:株元に土を寄せて、安定させます
💡ポイント!
- プランター栽培では、水やりで肥料分が流れやすいため、適宜追肥することが大切です。
手順④ 収穫
草丈が20cm前後になったら、いよいよ収穫のタイミングです!
- 成長した株からハサミで根元を切り取る
- または、根からまとめて引き抜いてもOK
💡ポイント!
収穫が遅れると葉が固くなり、食味が落ちるので注意しましょう。
若いうちに収穫すると、葉がやわらかく食べやすいです。
ほうれん草の基礎知識
ほうれん草は、比較的栽培が簡単な野菜のひとつで、
畑だけでなく、プランターや水耕栽培などさまざまな方法で育てることができます。
特にプランター栽培は、限られたスペースでも手軽に新鮮なほうれん草を楽しめるため、
初心者の家庭菜園にも非常におすすめです。
また、種まきから収穫までの期間が30日〜50日程度と短く、
夏以外の季節であれば年間を通して栽培が可能なのも魅力です。
ほうれん草の特徴まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
作物名 | ホウレンソウ(ほうれん草) |
科目 | ヒユ科アカザ亜科 |
原産地 | コーカサス地方(中央アジア) |
発芽適温(地温) | 15℃〜20℃ |
生育適温 | 15℃〜20℃ |
土壌酸度(pH) | 6.5〜7.0(弱酸性〜中性) |
育てやすさ | 簡単・初心者向き |
ほうれん草栽培のポイント
■寒さに強い
ほうれん草は冷涼な気候を好み、寒さには非常に強い性質を持っています。
秋〜冬にかけての栽培では、寒暖差のおかげで甘みが増し、味が濃厚になります。
■暑さに弱い
一方で、暑さには弱く、特に夏場の高温環境では生育が悪くなりやすいです。
高温期は栽培を避けるか、日陰を作る工夫が必要です。
■酸性土壌と過湿を嫌う
土壌はややアルカリ性〜中性(pH6.5〜7.0)を好みます。
酸性に傾いている土では育ちにくく、また過湿環境では根腐れを起こしやすいため、
水はけの良い培養土を使うことが重要です。
■直根性なので直播きが基本
ほうれん草は「直根性植物」であり、移植(苗植え替え)には適していません。
根がまっすぐ伸びる性質を持つため、**最初からプランターに直接タネをまく(直播き)**のが原則です。
ほうれん草の栽培時期
ほうれん草は、「春まき」と「秋まき」の2つの作型があり、
それぞれ最適な種まき時期と栽培の注意点が異なります。
作型 | 播種(種まき)時期 | 収穫までの日数 | 注意点 |
---|---|---|---|
春まき栽培 | 3月〜5月 | 約30日〜40日 | 高温に注意・とう立ち対策が必要 |
秋まき栽培 | 9月〜10月 | 約30日〜50日 | 初心者におすすめ・寒さに強い |
ポイント
- 初心者には秋まきが最適!
秋は温度・湿度ともに安定しており、とう立ちの心配も少ないため、栽培成功率が高まります。 - 春まきはとう立ち注意!
日照時間が長くなる春は、花茎が伸びる「とう立ち」現象が起きやすく、
食味が落ちる原因にもなるので、晩抽性(とう立ちしにくい)品種を選ぶことが重要です。
プランターの深さとサイズの選び方
プランターでほうれん草を育てる場合、適切な大きさと深さを選ぶことが大切です。
- 深さ15cm以上
- 横幅65cm前後の標準プランター
標準サイズ(例:65型プランター)なら、
2列(2条)に種をまいて、間引きながら育てるスタイルが最も効率的です。
また、底にしっかり排水穴があるものを選びましょう。
ほうれん草は過湿に弱いため、水はけの悪いプランターはNGです。
ほうれん草に適した栽培環境
■温度管理
- 生育適温:15℃〜20℃
- 夜間温度が12℃〜15℃**になると、甘み成分が増して美味しいほうれん草になります!
秋まきの場合は、この条件に自然に当てはまるため、非常に栽培しやすいです。
春まきは気温の上昇に注意し、必要に応じて遮光ネットなどで対策しましょう。
■日当たり
- ほうれん草は、半日陰でも育つ比較的耐陰性のある野菜です。
- しかし、密植しすぎると葉っぱが重なり合い、
光が足りなくなって生育不良になるため、適度な間引きは必須です。
■とう立ち対策
- 春まきでは、日照時間が長くなると「とう立ち(抽だい)」しやすくなります。
- 13時間以上連続して光に当たると、とう立ちのスイッチが入りやすいので、
ベランダなど夜間も明るい場所では注意が必要です。
土壌づくりと肥料管理
■土壌の条件
- 土壌酸度(pH):6.5〜7.0(ややアルカリ性〜中性)
- 水はけが良いこと
- 過湿を避けること
プランター栽培なら、市販の「野菜用培養土」を使えば手軽です。
自作する場合は以下の配合がおすすめです。
材料 | 割合 |
---|---|
赤玉土 | 6.5 |
腐葉土 | 2.5 |
バーミキュライト | 1 |
苦土石灰(調整用) | 用土1ℓあたり約3g |
元肥(緩効性肥料)が含まれていない土を使う場合は、植え付け前に混ぜ込んでおきましょう。
■追肥のタイミング
- 本葉が3〜4枚出た頃に1回だけ追肥を行います。
- 使う肥料は、液体肥料や粒状の化成肥料がおすすめです。
【おすすめ肥料例】
- ハイポネックスジャパン「いろいろな野菜用粒状肥料」
- 住友化学園芸「ベジフル液肥」
プランターでは水やりによる肥料流亡が起きやすいため、こまめに状態を確認しましょう。
まとめ
ほうれん草は、栄養たっぷりの緑黄色野菜で、
おひたし、バター炒め、サラダなどさまざまな料理に活躍する万能食材です。
プランターでも手軽に育てられるため、家庭菜園初心者にもぴったり。
発芽さえすれば大きな手間もかからず、収穫までスムーズに進められます。
また、土を使わない水耕栽培でも育成可能なので、
ベランダや室内でも手軽に新鮮なほうれん草を楽しむことができます。
ちなみに、個人的には「サイゼリヤ」のほうれん草とベーコンのバターソテーが特におすすめです!
シンプルながらもコクがあり、ほうれん草の甘みとベーコンの旨味が絶妙にマッチしています。
自家栽培したほうれん草でも、ぜひ一度試してみてくださいね!
まずは気軽に、ほうれん草栽培にチャレンジしてみましょう!